ある日、森の中

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死産のこと3:入院3日目 その1

3日目。

昨日の夜は一度目が覚めたけれど、一瞬だけで、7時間くらい眠れた。朝は6時頃自然に目が覚めたが、最初ぼんやりして、次第に、病院にいるんだった、ということをはっきり意識しだしたら涙がボロボロ出た。やはり何もしていない時間は泣けてしまう。慌ててビジネスブログなどを読んだ。病院が開いてすぐに夫が来た。

 

10時半頃、看護師さんが呼びにきた。昨日と同じことをするとわかっているので、痛いのがやだなぁと思いつつ移動する途中、昨日はカーテンがかかっていて見えなかったけれど、ナースステーション横の部屋に産まれたばかりの赤ちゃんが4人いた。かわいい、しかし、やっぱり人の子だと皆同じに見える…など思いつつ処置室へ。

昨日入れた"木の棒"を取り出し、新しい"木の棒"を入れるという処置はやはり痛かった。膣を広げる瞬間があると思うのだけど、その器具?をセットするのが痛かった。でも前日のように涙は出なかった。慣れるもんなのでしょうか。看護師さんがいくつ入ったかカウントしていて、11本の"木の棒"が入ったよう。どんなサイズかわからんけど、11本てなんかすごい。

 

部屋に戻ると急に下腹部が痛くなった。30秒〜1分ほど痛いのが10〜20分おきに起こる感じ。あまりに前日の単なる違和感と違うので、看護師さんに聞いてしまったけど、こうものらしい。

あまりに続くので、どんな間隔で起こるのかと思い、痛みが起こった時刻、前回の痛みが終わってから次が始まるまでの時間をメモしてみた。痛みの事実だけでなく、痛みの程度も10段階にして記録した。別に痛いのは何も変わらないけれど、「(痛みが)来た来た来た・・・メモって!」とか言っているとちょっと余裕があるような気になった。

 

痛がったりゴロゴロしたりしていると、父と母が見舞いに来てくれた。お互いに昨日よりも沈鬱な感じではなく、お葬式どうするのかとか、この先の話を敢えてすることで、あまり悲しくならないように過ごしている感じだった。敢えて明るく。昼ごはんも一緒に食べ、昼間はあまり泣かずに過ごせた。

夫が火葬関係の連絡をした際、「産まれた後に連絡をしてくる人が多い」と言われたらしい。そうなのか…? こちらの感覚としては、すでに亡くなっていることがわかっているし、"出産"前に見通しが立てられた方が体力的には楽だけどな…と思った。後でわかったけれど、この業者は別に葬儀会社ではなく、医療業務用の衛生用品(おむつとか)販売や医療廃棄物処理をする会社だった。火葬場の手配や産まれた(亡くなっている)赤ちゃんを預かることを産婦人科と提携してやっているようだった。今、こうやって改めて書くと、廃棄物処理のところに預けちゃったのか…と思うところはないでもないけど、この時はとにかく気持ちと体力が追いついていなかった。普段ならネットで調べまくって決めていくだろうけど、そういう余裕は全くなかった。そもそも「死産」という言葉を検索することもできなかった。ショックの真っ只中にいる時には、なんにもできないもんだなぁと実感した。

あとから死産をした方のブログなど見ると、自宅に一緒に帰ったとか、火葬の手配を自分でやったとか、はぁ〜そんな方法がありましたか…と思うけれど、そんな余裕もエネルギーもなかった。赤ちゃんには、不甲斐ない私たちがこの時の最善を尽くしたことを笑って許してもらうしかない。