ある日、森の中

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死産のこと4:入院3日目 その2

16時頃。

父母が帰ってから、部屋の移動ができるとお知らせがあった。もともと個室を希望していたけれど、部屋が空いておらず、これまではずっと他に誰もいない3人部屋でずっと過ごしていた。なんだかもう馴染んでしまったけどなぁと思ったけど、個室は、ソファもテレビもあって充実していた。3人部屋では夫や父母が来ても座るところが丸椅子とかしかなくて狭かったので、良かった良かった。

ただ、部屋がひとつ隣に移っただけなのに、前の3人部屋よりも他の部屋の声が聞こえやすく、特に産まれたばかりの赤ちゃんの泣き声はつらかった。廊下で直接出会うようなことはなかったけれど、ときどき泣き声が聞こえた。私の泣き声が隣の部屋に聞こえてはいないかと心配になった。私のところにも赤ちゃんが泣いて産まれてきてほしかった。

 

18時頃。

院長と看護師さんが部屋に来た。お腹の張りなど確認があり、これから子宮を柔らかくする薬を飲むことの説明、陣痛促進剤と無痛分娩の説明と同意書記入があった。明日から陣痛を起こしていくとのことで、通常の出産と同じように、10時間、長ければ20時間かかるとのこと。亡くなっているからってサッと出てこれるわけではない。

子宮を柔らかくする薬というのを飲んで、晩ごはんを食べたけれど、この薬がすごく効いた。子宮が柔らかくなるとお腹が張る(痛くなる)ようになるようで、服薬して30分くらいしたら2,3分おきにそれまでの倍くらいの痛みがくるようになった。痛い。痛すぎる。それでも陣痛の方がもっと痛いというのだから怖すぎる。痛みの記録は続けていましたが、書くのが阿呆らしいくらい頻繁に痛い。1時間おきに4錠飲み、1時過ぎまでこれまで感じたことのない痛みが10分おきくらいに続いた。ただこれは陣痛ではなく、薬の影響ということなので、少しずつ痛みは収まり、あとは痛かったら目が覚めるけど寝られるときに寝る、という感じで眠りについた。

 

痛みの真っ最中はただ耐えるのみだったけど、痛くない時には、ふと、つい、何のために痛いのか、生きては産まれてこないのに…とか考えてしまった。もちろん大事な子どもではあるけど、虚しさも感じてしまう。産まれた時、どんな感情になるのだろう。