死産の入院中に読めたらよかったと思った冊子
死産と知らされた時、私も夫も死産について何も情報を持っていなかった。私自身は入院中は自分で調べることすら怖くて(調べなかったからといって状況が変わるわけでもないのに)、いつもお世話になっているGoogleを開くこともなかった。
でも、今思うと、読むか読まないかは別として、死産がどのようなもので、入院中は何を実施する予定で、退院後どうなるのかという情報があったらよかったなと思う。
退院後はネットで色々見てはいたが、個人のブログ・体験談が多くて、それも参考にはなったけれど、もうちょっと“情報”的なものが欲しいなと思った。
それで行き着いたのが、以下の2つの冊子。どちらも自分で取り寄せた。
『大切なお子様を亡くされたご家族へ』(流産・死産経験者で作るポコズママの会)
500円(冊子賛助金)
会の設立者・冊子の監修者からのメッセージ
赤ちゃんとのお別れ
- 流産・死産時の手術や分娩について
退院後の体の回復と生活Q&A
ココロについて
ご家族・周囲の方へ
これからの人生について
- 流産・死産を経験した方達のメッセージ
『悲しみのそばで ー死産・新生児死亡で赤ちゃんを亡くしたご家族へー』(聖路加看護大学 看護実践開発研究センター 天使の保護者ルカの会)
1,296円 + 送料 648円
第一部 はじめの週に
- からだへの影響、感情、入院中にできること、葬儀・供養の方法、法律・社会保険上の手続き、解剖について
第二部 退院したあとに
- 赤ちゃんについて語ること、どこに救いを求めるか、パートナーと語ること、父親、祖父母、友達、きょうだい、記念日、赤ちゃんの思い出づくり
地域でのこころのサポート
- セルフヘルプグループ、インターネット情報、カウンセリングが受けられる施設の紹介
『大切なお子様を〜』は、最後の体験者のメッセージが泣ける。泣けるので3ページしかないのにまだ全部読めていない。そうか、こんな気持ちでこれから生きていくのかもなと思う。体験者がメッセージを寄せてくれた時点で、流産・死産からどのくらいの年月が経っているのかがわかると、これからの気の持ちようについて指針のようになるのではないかと思う。私自身、死産直後は泣きまくって、これいつまで続くのかなぁなどということも心配だった。少しだけれど、医療従事者へのアドバイスも書いてある。
『悲しみのそばで』の方が具体的な情報が多い。Stillbirth and Neonatal Death Societyという、イギリスの妊娠中や誕生直後の赤ちゃんの死に対する支援の団体の冊子を元にしているよう。最後の自助グループやサイトの案内は話したい親にとってとても有効だと思う。ただ、「カウンセリングが受けられるところ」は限定的すぎやしないかとは思う(山王教育研究所の代表は河合隼雄氏ではないし)。でも現状ではカウンセリングを希望する場合、医療機関が多いだろうから敷居は高そう。しかも、流産・死産のことをわかるカウンセラーがどのくらいいるのだろうか。
どちらも少ないページで可愛らしくまとめてある小冊子。体験談などまとめた書籍もあるけれど、入院期間中に読むには量が多そう。まだ私は読めていない。
産婦人科には、(閲覧のみでも買取でもいいから)こういう小さな冊子があってほしい。