ある日、森の中

思ったこと、考えたこと、調べたこと、経験したこと

『敗者のゲーム』を読んだ

iDeCoやNISAを含め、これからお金を確保していくために避けては通れないだろうと思っていた投資について知るべく、読んでみた。

 

『敗者のゲーム』第6版 チャールズ・エリス著 鹿毛雄二 訳 2015

Winning the Loser's Game  6th edition: Timeless Strategies for Successful Investing

敗者のゲーム〈原著第6版〉

敗者のゲーム〈原著第6版〉

 

 

投資のアクティブ運用は負けることが明らかだが、市場に「勝つこと」ではなく「負けないこと」で自分の目標を達成させることが重要だ、ということを述べた本だったと思う。

印象に残った文章をいくつか。

 

「市場に勝つ」ことを目指して「敗者のゲーム」に参加すれば、負けはほぼ見えている。だからといって悲観することはない。勝つ方法はある。長期投資の明確な目標設定に集中し、その目的を実現するために合理的かつ現実的な投資政策を選択した上で、その政策を、自己規律をもって忍耐強く、しっかり貫いていくことである。

(第1章 運用は「敗者のゲーム」になった)

 そもそも「市場に勝つ」とはどういうことなのかがまだわかっていないけれど、とにかく相手(市場)に勝つことではなくて、自分の目標に照らしてどうかということが重要らしい。目標をたて、定期的(年に1回)にそれを見直し、長期間かけて目標に近づけていくことを推奨している。なるほど。確かに、大儲けしたい訳ではなくて(大儲けするに越したことはないけど)、年金・住宅・教育費用という人生の三大支出にどう備えるかということを考えるわけだから、自分との戦いみたいなものなのだろうか。

そして、自分との戦いをするために大事そうな感じがしたのが次の十戒

個人投資家のための十戒

1. 貯蓄すること。そして貯蓄したものを将来の幸せと安定、子供の教育のために投資する。

2. 相場の先行に賭けてはいけない。

3. 税務上有利という理由で動いてはいけない。(例外は非課税の個人退職貯蓄講座)

4. 自分の住宅を投資資産と考えてはいけない。住宅は家族と生活する以上のものではない。

5. 商品取引は考えものである。コモディティ取引は投機にすぎない。

6. 証券会社の担当者に気をつけなさい。彼らの仕事はあなたを儲けさせることではなく、あなたから儲けることだ。

7. いわゆる新金融商品に投資してはならない。

8. 元本、利息が安全だとかリスクが少ないという理由だけで債券に投資してはいけない。

9. 長期の投資目的と方針、資産計画を書き出し、それに沿って行動すること。

10. 直感を信じて投資してはいけない。

(第15章 個人投資家にとっての課題) 

ひとつめの「まず現金を貯める」ことは、ほかの本でも前提として書かれている。書かれていなくても常識なのだろう。6つめも、銀行や証券会社から勧められるままに投資してはいけないとよく目にする。細かいことを考えずに「お任せ」できたら楽だし安心は得られるのだろうけど、それでオッケーと言えるほどの余裕はないので、自分で情報を集めて考えるしかない。なんてめんどくさいのだろう。

しかもそんなに面白くもないらしい。

投資は本来「エキサイティング」なものではない。投資がエキサイティングになってきたら、何かが変だと思う必要がある。ほとんどの投資家にとって、面白そうに見えるものは無視する方が良い。

(第4章 「ミスター・マーケット」と「ミスター・バリュー」)

今はネット証券を調べてみたり本を読んだりして結構面白いけど、軌道に乗ってきたらエキサイティングではなくなってくるはず、ということのよう。確かに、職業投資家でない私は、お金のことを心配せず、ほかに楽しいことや打ち込めることがあった方が健全な気はする。日々の損益が気になって夜も眠れないみたいなことになったら、何のための目標設定かわからない。

 

ほかにも、今はちょっとよくわからないけど大事そうなことが書いてあった。ネットでいろんな人の投資ブログなど見てから読んだのが良かったのか、意外とわかりやすかった。この本の内容が実感できるほど取り組んでいく頃には、少しずつ資産が増えているといいな。