ある日、森の中

思ったこと、考えたこと、調べたこと、経験したこと

死産のこと

死産後の生活16:予想外に体外受精に至れなかった

40代に突入して、妊活期間もそろそろ終わりに近づいているじゃないか、と気づいた時、初めて体外受精やってみようと思いたった。 子どもが欲しいから、というよりは、10年20年後、何かの拍子に、やっぱりもっと不妊治療をしておけば良かったという後悔が襲っ…

死産後の生活15:痔と流産の話

もうだいぶ期間が経ってしまったけれど、年末に流産した。 死産から妊活に向き合えずにいた期間が半年ほど、なんとなく気が向いてきたのがそこから半年、思い立って不妊治療クリニックでタイミング&人工授精をやってみたのが半年強、コロナが始まり治療にな…

死産後の生活14:3年が経ち、ケーキを4個食べた

世界は2つの時期に分けることができる。赤ちゃんが生きていた期間と死んだ後の期間だ。 夏の終わりは、我が子が生きていた期間が終わってしまう瞬間を含む季節で、命日のあとに誕生日がやってくる1週間だ。でも不思議なもので、仕事中などはそのことが全然…

5月7日の夕方から夜にかけての話

「昨日、産まれました」 と、連絡が来た。 もう20年近い付き合いの友人である。仕事中にスマホをチェックして、スマホを見る手が一瞬止まり、仕事の手も同時に止まっている。 予期せぬ報告に「ゥワッホ」となった。声に出さなくてよかった。予告するわけには…

クリスマスにドーナツを3個ではなく2個買った話

亡くなった我が子のことをどれだけ思っていても、結局、思いだけを強く残すというのは難しい。 クリスマスにはケーキを食べることがあると思うけれど、私はケーキを予約する余裕がなかったし、ケーキ屋は見るからに駐車場が混んでいて入れそうな気がしなかっ…

死産後の生活13:2年越しの後悔の羅列

2年が経ってしまった。ハッピーバースデー、我が子。 ついこの間のことのような気もするし、ずっと昔のことのような、なんなら妊娠や死産なんて本当にありましたっけ?という感じもある。自分の中で、未だにどのように位置づければよいのかよくわからない。…

死産後の生活12:1年半が経った

1年半、と書いたけれど、本当はもう1年8ヶ月が経っている。 1年半の時点で、ああそろそろ何かを書きたいなぁと振り返っているうちに、職場でいろいろと起こり、それにワタワタしている間に新型コロナウイルスが広まり始め、その対応にてんやわんやで、今…

姪の誕生日

姪っ子、めでたく3歳になった。 お祝い料理と、何やらポーズをとっている写真が送られてきた。 姪っ子は私にとって大変可愛く、オババカ丸出しである。私が妊娠・死産する前に産まれているので、私の赤ちゃんと年齢がかぶることがない(1年経てば1年分、姪…

減ったこと、増えたもの

妊娠前後でも生活はだいぶ変わったなーと思っていたけれど、死産前後でも生活は変わった気がする。大きく変わったことはなんだろうと考えると、減ったことを2つ、増えたものを1つ、挙げることができるのではないかと思った。どうでもいいが、仕事量は変わ…

死産のこと11:1年が経った

死産から1年が経った。 なんだかお腹の動きに元気がないと気づいて産婦人科に行って、心拍停止が確認され、夫と二人で超泣いて、入院して、ラミナリアの激痛に耐えていた頃だ。 あの数日間が、ものすごく昔に感じるし、そんなことが自分に起こったんだっけ…

恩師のお返事

学生時代の恩師に連絡する機会があり、一緒に近況報告として死産のことを伝えた。妊娠していた時に会っていたので、どこかで伝えないとなーと思いつつ、直接会う機会もないし、どうしよう…と思っていたところで、私としてはちょうど良かった。 妊娠していた…

死産後のこと10:「元気そうで良かった」と言われることについて

強烈な別れと悲しみを経験して、それでも終日泣き続けるのは3週間ほどでおさまり、2ヶ月の産後休業、1ヶ月の休み、復職して4ヶ月、新年度に入って仕事が去年までとほぼ同じペースに戻る期間を2ヶ月弱過ごしてきた。年度が変わったので、事情を知ってい…

母の日と、母でない私

日曜日は母の日だった。 車の点検に行き、ジムで筋トレをやり、伊坂幸太郎の小説を読み、実家の母に電話した。 毎年、母・父の誕生日と母の日・父の日には、プレゼントとかは何もせずに電話をしている。どちらかと言うと私が話してしまうことの方が多く、私…

産休後の昇給がなかったことをどう理解すればいいのか

先日、今年度の給与辞令が出て、昨年度と比較してみたら、今年度の昇給がされてなかった。給与説明会では、基本的には毎年昇給する仕組みという説明があり、2年目だった昨年度は昇給していた。ちなみに、専門職型の裁量労働制を取っている職場です。 時給生…

連休は嬉しいけど去年を思い出して憂うつにもなる

連休の予定が何もない。7連休くらいにはなりそうなのに。 去年のこの頃、連休はつわり真っ只中で、妊娠4ヶ月を過ぎると落ち着く人もいます、というたまごクラブの説明も虚しく、毎日吐いていた。胎動もまだ感じておらず、ただただ自分が気持ち悪い状態が続…

死産のこと9:復職後の生活

死産から7ヶ月経った。ぼちぼち過ごしている。 人から「元気?」と聞かれたら、「そんなに元気じゃないです」と正直に答えている。言わずに察してくれるような人は私の周りには多くない。 4ヶ月目(復職直後) 復職初日、年配の職員の方が私を見かけて「聞…

お腹痛い

1ヶ月くらい腹痛が続いている。 痛いときも痛くないときもあるし、ご飯を食べた後に痛いこともあるし痛くないこともあるし、便秘っぽいときもあるし(といっても長くて2日くらい)、その後には全部出る。割と確実なのは、ご飯を食べた直後に横になると気持…

死産や出産に意味づけはしなくていいと思った件

「自分の死産には何か意味があったのだろうか」 「意味があったと思いたい」 という意見を聞いた。 流産、死産でしんどい、でもこの悲しみを乗り越えることに意味があると思えたら・・・という苦しさのぎりぎりの中での考えだったと思う。言葉そのものがその…

悲しみが歯を通じて体の痛みにつながっていることを実感した

肩も首も肩甲骨も痛すぎて鍼灸院に行き始めた。 もともと、肩凝りはあれど自覚することができず、美容院でマッサージしてもらうたびに「頭も肩も凝ってますね」と指摘されて、「はぁそうですか」と言うばかりで十数年過ごしてきたけれど、この2ヶ月くらい、…

死産の入院中に読めたらよかったと思った冊子

死産と知らされた時、私も夫も死産について何も情報を持っていなかった。私自身は入院中は自分で調べることすら怖くて(調べなかったからといって状況が変わるわけでもないのに)、いつもお世話になっているGoogleを開くこともなかった。 でも、今思うと、読…

死産のこと8:退院後の生活

無事に出産していても生活はがらりと変わったと思うけれど、無事に出産できなかった私も生活は大きく変わった。今のところ、少しずつ良くなっているとは思う。死産直後からの過ごし方でよかったと思うことを書く。 1ヶ月目 とにかく泣いていた。泣こうと思…

死産した年の喪中葉書と思ったこと

死産を経験した人の多くが出会うであろう問題に私も出会った。 年賀状どうするか問題。 そして、多くの人がそうしたであろうように私もネットで調べまくった。そもそも、成人してからは幸いなことに周囲がピンピン生きているので、喪中葉書そのものを出した…

「誕生日」の意味を生まれて初めて考えさせられた

親しい人から、亡くなった赤ちゃんの誕生日を尋ねられた。 知りたいと言ってくれるのは嬉しいもので、いそいそと答えようとして、はたと疑問を感じた。 お腹の中で亡くなった子にとって「誕生日」って何? 誕生日は通常、赤ちゃんが母胎から出てきた日という…

「死産・流産 母親に必要なケアは」(NHKおはよう日本)から調べたり思ったりしたこと

NHK「おはよう日本」で死産・流産のケアについて特集していたらしい。見たかった。 www.nhk.or.jp 結論としては「すべての人に適切なケアが必要」というものですが、どうすることが「適切なケア」なのかということは国内での共通理解はまだないらしい。 アメ…

「天使ママ」という表現を知った

死産の後、知ったことのひとつに「天使ママ」という表現がある。 妊娠中や産まれて間もない頃に赤ちゃんが亡くなってしまった女性のことだ。そのパートナーが男性であれば「天使パパ」になるのだろう。 入院中は死産に関連することを調べる勇気も元気もなく…

死産のこと7:火葬

妊娠12週目以降に胎内で赤ちゃんが亡くなった場合、“出産”し、死産届を提出する必要がある。医学的には12〜22週は後期流産とされるようだが、役所的には死産の扱いになるとのこと(NPO法人 SIDS家族の会ホームページより)。“出産”後には病院でもらう死産届…

死産のこと6:入院4日目・出産日 その2

18時。 夕食が運ばれてきた。出産に向けて体勢が脚を開いた状態にさせられたので、父母妹はもとの個室に移動。夕食はできるだけ食べてねと言われたが、この体勢・状況で食えるか!ということで夫にほとんどあげた。 お腹の痛みは、無痛分娩の麻酔のおかげで…

死産のこと5:入院4日目・出産日 その1

9時 診察。昨日の"木の棒"を取った。やっぱり痛かった。激痛。でも涙は出なかった。 昨日と同じ内服薬から始めて、点滴にうつると説明された。 9:15 内服1錠目。 10:15 内服2錠目。痛みが強くなってきた。 11時過ぎ 出血したので看護師さんを呼ぶと、再度、…

死産のこと4:入院3日目 その2

16時頃。 父母が帰ってから、部屋の移動ができるとお知らせがあった。もともと個室を希望していたけれど、部屋が空いておらず、これまではずっと他に誰もいない3人部屋でずっと過ごしていた。なんだかもう馴染んでしまったけどなぁと思ったけど、個室は、ソ…

死産のこと3:入院3日目 その1

3日目。 昨日の夜は一度目が覚めたけれど、一瞬だけで、7時間くらい眠れた。朝は6時頃自然に目が覚めたが、最初ぼんやりして、次第に、病院にいるんだった、ということをはっきり意識しだしたら涙がボロボロ出た。やはり何もしていない時間は泣けてしまう…